夢を与える
ミーハー文学少年オリオリです!!
綿矢りささんの新刊『夢を与える』を読了しました!
実はずいぶん前に読んでたんですが、U−15に弱いことを自称している僕にしてみれば、かなり「複雑な心境」になってしまう作品でしたw
でもでも、とっても面白かったですよ。
読んでいるうちに、主人公の「ゆうちゃん」のファンになってしまうので、彼女の成長を喜んだり、彼女が傷ついたり、悲しいときは、読んでいる僕も心が痛んだり、悲しくなったりします。
幻想少女っていうのは、昔から論じられてきましたが、この作品ではかなりリアルな感じがします。偏りのある、特定の人たちに愛されるアイドルではなくて、「ゆーちゃん」はいわば、「国民的アイドル」なんです。
もちろん、現実の夕子と「ゆーちゃん」の間には程遠いギャップがあるし、みんなが期待したり、求める「ゆーちゃん像」をうまく感じ取り、それに自分をすり合わせていくことに抵抗感をもったり、でもそのうち慣れてしまったり、そういった過程がとっても上手く描かれています。
この作品は、もしかしたら綿矢さん自身が芥川賞を受賞した後の実体験をベースにしているのかもしれません。
僕がこの作品を読んでいてイメージとして現れてきたのは、広末さんでした。あとは小さいころの「ゆーちゃん」はてれび戦士の一木有海ちゃんとかwでした。
彼女たちが、現実の自分(感覚)だけでなくて、他人から求められていたり、期待されているだろう「自分」とに隔たりを感じていくことは、ある程度しかたがないのかもしれません。
そのギャップが大きければ大きいほど、苦しく感じることもあるかもしれません。
僕みたいな強烈なヲタが言う資格はないのかもしれないけれど、彼女たちには、そういった苦しみをなるべく味わってほしくないです。できるだけ、しあわせな気持ちでいてほしい。
とはいえ、虚実が入り乱れる芸能界です。
悲しくても、笑っていなければならない世界。
すくなくとも、僕は彼女たちを暖かい目で見ていきたいです。。。
・・・と、まあ、そういったようなことをいろいろ考えさせる作品でしたww
読んでみるといいよ!!心が複雑になるからww
- 作者: 綿矢りさ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/02/08
- メディア: 単行本
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